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低環境負荷型次世代
ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト

プロジェクトリーダー

〜生産技術は縁の下の力持ち〜
中村 隆
(名古屋工業大学 教授)
中村 隆の写真

総括

5年間のプロジェクトで、多くの成果が生まれました、各研究者が「夢」の実現にむけて努力した結果です。これらの成果は愛知県のものづくり産業に大きく貢献すると確信しています。上に記したとおり、生産技術は表舞台には出にくいものですので、これからしっかりと成果をアピールしていきます。

愛知県の中心的産業となっている自動車では、その生産能率を高めるだけでなく部品の信頼性を向上する技術の開発にも成功しました。例えば耐圧性が求められるアルミダイキャスト部品では従来不可能といわれてきた材料での高品位部品が製作可能となりました。

またこれからの発展が期待される航空機産業では、エンジン製造に多用される耐熱合金に対し、加工能率を1桁高める技術も開発しました。

構造部材として使われることが多くなってきた炭素繊維強化プラスチックス(CFRP)では、高価な炭素繊維を低エネルギーで回収する技術を確立し、今後利用拡大が見込まれる自動車産業での活用が期待できます。

このほかの成果を含め、県下の製造業で広く利用していただけるようその普及に努めます。

実現した主な技術・装置等

リサイクル炭素繊維によるコスト半減の実現

連続過熱水蒸気処理によりリサイクル炭素繊維製造コスト及び前記リサイクル炭素繊維を用いたマイクロウェーブ加熱成形によりCFRP製造コストをそれぞれ1/5に低減

切削加工能率10倍の実現

高速セラミックミリング工具、刃先制御工具を用いた新加工法をインコネル718モデル素材に適用して、切削加工能率10倍超えを実証した。また、金型の深溝加工において18倍の加工能率向上を実現

鋳造、鍛造、接合、表面処理の技術開発によりコスト半減、寿命の2倍以上の実現

①セミソリッド鋳造技術により、高品質かつ安定した製品の生産を実現
②アルミニュウム合金への新たな黒色クロムめっき技術により耐腐食性を付与
③増肉鍛造により、細溝の切削プロセスを削減

研究開発成果

G2】難加工性材料の超精密・高能率加工技術の開発