PROJECT ROBOTICS
次世代ロボット社会形成技術開発プロジェクト

R2

介護医療コンシェルジュロボットの研究開発

介護医療の職員不足と過度労働を解決し、施設利用者のQOLを向上させる

研究開発の概要

介護医療の現場では人手不足や過重労働が深刻化しており、これらの解決に向けたロボット技術が提案されているが、従来の技術は単純な移動巡回や薬物搬送の機能を実現するまでに留まっている。一方で、実際の介護医療施設の現場で働く施設職員の業務負担を軽減し、施設利用者の日常を活性化するためには、これまでよりも自律性が高く対人的な応答性を備えたロボットの導入が必須である。本研究では夜間に施設内のホールや廊下、居室のベッド周辺を自動で巡回して施設全体を見守り、昼間は施設利用者に付き添ってバイタルサインの計測やリハビリの支援を行う介護医療コンシェルジュロボットを開発し、介護医療職員の負担軽減と施設利用者の生活の質の向上を実現した。

事業化リーダーより

新東工業株式会社 開発本部 富貴原 信

【重点研究プロジェクトに参加して】
産学、行政、施設の機関(9企業、3大学、1研究所、5施設、1省庁)が密に連携し、介護施設、病院、特別支援学校の現場で実証試験を繰り返し行った。特に夜間巡回の試験では、消灯時の静音性を確認するために介護施設に泊まり込んでロボットを巡回させるなどの苦労もあったが、現場の知見を積み重ねることでロボットの自律性や応答性を高度化することができた。本技術では従来技術にはなかった巡回時の安否確認や徘徊応対、バイタル計測やリハビリ支援による健康維持、感覚運動の拡張による活動支援を実現した。これらの新技術が国内外の介護医療や福祉教育の現場に広く普及されることを期待している。

【今後の展開】
本研究プロジェクトの完了時に、全研究成果を統合した介護医療コンシェルジュロボットとアプリケーションシステムを医学系学会の市民展示に出展する。展示では本ロボットが年齢や障がいに対してバリアフリーであり、インクルーシブな社会環境の実現に有効であることを高齢者、障がい者、子どものモデルユーザとともに示す。本研究プロジェクトの完了後は、製品販売を開始して市場の反応を分析し、介護医療分野の技術発展を先導する。今後の製品開発ではロボットとセンサネットワークの連動性を強化し、施設内の見守り機能を向上させる。ロボットが収集した施設利用者のバイタルサインや行動情報をクラウドシステムで動的に分析することで、施設全体の恒常的なヘルスケアを実現する。