SDGs
SDGs達成に向けた脱炭素社会・安心安全社会
の実現と社会的課題の解決に資する
技術開発に取り組む

S9

血中循環腫瘍細胞から
がんオルガノイド樹立が可能な1細胞分取装置の開発

エンジニア技術で拓くがんの病期に応じた精緻な治療

研究開発の概要

 患者個人由来のがんオルガノイドを使った体外薬効評価は治療薬の選定に有効だと考えられている。ただし、現行のがんオルガノイドは手術で摘出した腫瘍組織(生検)から採取した細胞から形成されるため、治療経過に伴う経時的な生検は患者へ多大な身体的負担を与える。
 本研究は、メドリッジ株式会社が有する1細胞分取技術と、藤田医科大学が有する大腸がん・頭頸部がんのオルガノド作製技術を利用して、患者に対して低侵襲なLiquid Biopsyを採用して、血中から抽出した腫瘍細胞からがんオルガノイド樹立を可能とする1細胞分取装置を世界に先駆けて開発する。

総 括

藤田医科大学 教授 佐谷 秀行

重点研究プロジェクトの共同研究によって、1細胞分取装置を用いて血中を循環する腫瘍細胞を生きたまま1細胞レベルで採取することが可能であることを示すことができた。また、頭頚部がん細胞を用いて、10数個程度の細胞からがんオルガノイドを作製できることを示すことができた。これらのことは、がん患者の血中を漂っている超稀少な血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cells)から、がんオルガノイドを樹立できることを示す先進的な試みである。今後、実臨床への応用にはいくつもの障壁はあるものの、本研究成果は飛躍的な一歩となった。

今後の展開

メドリッジ株式会社 代表 益田 泰輔

 1細胞分取技術を活用した以下のサービスを提供、販売を目指す。①血中の腫瘍細胞の1細胞分取及び、その分析受託サービス(一部先行展開)、②1細胞分取装置(レアセルソーター)の消耗品の販売(ソーティング用のマイクロ流体チップ、ピッキング用ガラスピペット、チューブ、試薬等)、③1細胞分取装置(レアセルソーター)本体の販売・リース等。
 本サービスを世界中の医療機関、検査機関、研究機関、製薬企業等に向けに展開し、愛知県から世界と戦える医療機器の排出を目指す。さらに新規がんモニタリング方法を提唱し、異なる病期のがんに対して迅速な治療薬の選定や無駄の少ない創薬開発に資する。