Manufacturing
第4次産業革命によるイノベーションを取り込み、
新技術の開発や新作業の創出を促進

8M10

ナノ細孔材料触媒の
超臨界プラズマ製造装置の開発

次世代触媒を創る、超臨界プラズマ技術

終了研究テーマ

概要及び背景・課題

 燃料電池は、クリーンなエネルギーとして注目されている。しかし、電池内部で使用される白金触媒は高価であり、寿命が短いという大きな課題を抱える(図1)。この問題を解決する方法の一つとして、とても小さなナノ触媒を狭いスペースに導入し、安定性を向上するのが注目を集めている。そこで本研究では、単層カーボン・ナノチューブ(SWCNT)の直径2 nm細孔中に、2 nm以下の超微細触媒(白金ナノ触媒)を合成する新しい方法と、それを実現する特別な装置を開発している。具体的には、超臨界流体とソリューションプラズマ(液中プラズマ)という特殊なオリジナル技術を組み合わせ、ナノ細孔中にナノ触媒の原料種を導入し、ナノ細孔を反応場としてナノ触媒を合成する。

開発内容/目標

 本研究では、燃料電池の酸素還元反応触媒に最適な担体材料の創製を目的として、SWCNT表面の改質から検討を進めてきた。超臨界二酸化炭素プロセスと溶液プラズマ技術を組み合わせた新規手法及び装置を開発し、ナノ触媒をSWCNTの約2 nmのナノ細孔内に導入することで、触媒の高安定化(耐久性向上)と高活性化を同時に実現することを目指す。
・最適切な欠陥制御と白金導入技術を確立するにより粒径2 nm未満の白金ナノ粒子を安定化する新たな構造を持つ材料を実現。
・2025年までに商業用触媒と比べて触媒活性および耐久性を各2倍へ向上させる 2028年までに商業用触媒と比べて触媒活性および耐久性を各20倍へ向上させる。超臨界二酸化炭素技術と液中プラズマ技術を組み合わせた装置を参画機関による実用化・上市する。

2025年度の成果/成果活用の展望

① 適切な欠陥制御に基づき、SWCNTの設計及び合成を実現し、粒径2 nm未満の白金ナノ粒子を導入・安定化する新たな構造概念を確立した(図2)。合成条件により30~45wt.%(通常5 wt.%程度)まで白金導入可能であることを確認した。
② 本研究のSWCNT内約30~45wt%白金触媒の質量活性の800 mA/mgPt(従来比触媒活性の4~6倍の達成)及び耐久性の6~7倍。
③ 超臨界二酸化炭素と液体プラズマを組み合わせた簡便なプロセスの設計(図3)により、約2 nmの細孔を有すSWCNT粒径2 nm未満の白金ナノ粒子の導入を実現した。その条件を活かし、装置設計の可能であることを確認した。