Manufacturing
第4次産業革命によるイノベーションを取り込み、
新技術の開発や新作業の創出を促進

7M10

ナノ細孔材料触媒の
超臨界プラズマ製造装置の開発

次世代触媒を創る、超臨界プラズマ技術

研究開発の概要

 燃料電池用およびCO₂用触媒の低価格化と耐久性向上は、喫緊の課題である。その解決策の一つとして、ナノ細孔材料触媒が注目されている。近年、ミクロ多孔体の一種である有機金属構造体の細孔内にナノ触媒を格納することにより、触媒性能が向上することが報告された。しかし、価格や耐久性の観点から、より安定で安価な無機ナノ細孔材料に格納することが必要である。安定なナノ細孔材料を用いることで、触媒活性の向上だけでなく、触媒耐久性の向上も期待できるが、その技術は未確立である。特に、非常に疎水性の高い単層カーボンナノチューブのような炭素系のナノ細孔材料に対しては、ナノ触媒を合成するための原料を細孔内に導入する新しい技術が必要である。本研究では、2nm以下のナノ細孔内にナノ触媒を生成した材料の作製方法ならびにそれを実現するための装置開発を行う。超臨界流体・ソリューションプラズマ複合技術によって2nm以下の細孔径を有するナノ細孔材料内に触媒原料を導入し、ナノ触媒を細孔内に合成する。2028年に市販の燃料電池用触媒(20 wt.%Pt-C)と比較して20倍となる質量活性と耐久性を持つナノ細孔材料触媒およびそれを実現する超臨界中でのプラズマ装置を開発する。

課題/背景

 燃料電池用・CO₂用触媒の低価格化と耐久性向上は、喫緊の課題である。価格面は、触媒の白金(Pt)使用量をどこまで削減できるかにかかっている。現在商用の20wt.%Pt-Cに対して、今後、1wt%Pt-C程度までの削減が求められている。一方、耐久性は、15年以上運用可能な触媒耐久性が求められている。ところで、触媒活性・耐久性向上を実現する解決策として、ナノ細孔内に触媒金属を合成する方法が注目されている。しかし、現在はナノ細孔材料の耐久性が不足しているため、より安定で安価な無機ナノ細孔材料に用いたいが、その技術は未確立である。特に、疎水性の高い単層カーボンナノチューブのようなナノ細孔材料に対しては、ナノ触媒の原料を細孔内に導入することは極めて難しく、触媒原料を細孔内導入する技術が確立できていない状況にある。このため、これを実現する新しい技術の開発が必要である。

開発内容/目標

 本研究では、ソリューションプラズマ技術と超臨界流体技術を組み合わせることで、この課題の解決を目指す。超臨界流体技術は、触媒の原料となる金属イオンや錯体を多孔質材料の細孔内に導入することを可能にし、ソリューションプラズマ技術は、発生する活性種の作用により、孔径に応じたナノ粒子の形成を誘導することができると考えられる。カーボンナノチューブなどのナノ細孔材料合成、超臨界流体、ソリューションプラズマなどの個々の技術は存在するものの、それらを統合する技術は確立されていないため、本プロジェクトで業界を横断する研究・開発を進め、この実現を目指す。2026年には、細孔内にナノ触媒金属が合成されたコンセプト構造の実現と市販の商用燃料電池用触媒の2倍となる質量活性と耐久性を持つナノ細孔材料触媒の開発、そして超臨界流体とソリューションプラズマを統合した装置開発を行い、2028年に企業への提供開始を目指す。