Carbon Neutral
環境と経済が調和した活力ある産業社会を構築

7C1

人協働型セラミックス自動実験システム構築
と電池材料探索プロトコル開発

ロボット・AIで加速する電池材料開発

研究開発の概要

 次世代電池市場は今後急速に拡大する見込みがあるため、ますます研究開発の加速が求められています。特に酸化物型全固体電池については高性能材料の開発が急務であり、その実現に向けて、粉体自動実験システムと高速評価、AI解析を統合した材料開発プロトコルの構築を進めます。
本研究では、「不活性雰囲気下での粉体実験の自動化」、「電池材料の各種特性評価の高速化」、「AIを活用した効率的な解析と自律的な実験提案」の三つの開発項目を設定しています。これらの要素が互いに律速することなく連携し、研究を円滑に推進できるような、自動実験システムと材料開発プロトコルの構築を目指します。
 展望としては、メカノケミカル合成まで自動化したシステムのモジュール化と商品化を進めるとともに、高速評価とAI解析を統合したプロトコルを「知の拠点あいち」で公開し、広く活用していただけるようにする計画です。自動実験システムの普及により、研究開発のスピードが大きく加速すると期待されています。特に、小規模でも自動実験設備導入が進めば、県内企業における材料研究開発の効率化とデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む見込みです。また、「知の拠点あいち」や大学を中心に、次世代の技術者育成も進めます。材料研究に精通したシステムインテグレーターや、ロボットを自在に活用できる材料研究者の育成を目指します。

課題/背景

 地球規模での脱炭素化の流れを受け、蓄電池技術はエネルギー転換の中核として注目されています。特に酸化物型の全固体電池は安全な次世代電池として期待されています。愛知県ではセラミックス産業の強みを活かした電池開発が期待されており、2024年には「あいち次世代バッテリー推進コンソーシアム」が設立されました。しかしながら、このような新しい電池材料開発を加速するためのリソース不足や、技術的課題も多く存在します。近年、このような新しい材料の開発を加速するするために、ロボットやAIの活用に注目が集まっていますが、電池材料の開発に必要な化学実験を自動で行うことができる装置は、ほとんどないのが現状です。そのため、これらの課題を克服するためには、材料・化学、機械・電子工学、情報科学などの分野を横断した一貫した開発体制の構築が必要です。今後は、分野融合による高速な材料探索手法の確立が技術革新の鍵となります。

開発内容/目標

 本研究では粉体を扱う自動合成システムの構築、電池材料の電気化学特性と各種構造評価の高速化技術開発、各種データのAIによる解析と自律化技術を開発します。自動実験システム開発では、高性能な電池材料を合成するために、乾燥した不活性雰囲気下で運用可能な秤量システム作製と、グローブボックス内でのメカノケミカル合成実験の自動化を実現し、重量容器の搬送・秤量・合成プロセスを連携させた自動合成システムの構築を目指します。また電気化学特性の最大化を図る高速評価手法と、雰囲気に敏感な材料に対応した高速放射光X線実験技術の確立を進めます。さらにAIを活用して電気化学データを解析し、材料プロセスを含めた最適化手法と自律的な実験を可能にするソフトウェアの実装を目指し、電池材料開発を加速するハイスループット研究開発プロトロコルの開発に挑戦します。