Health Care
社会全体での健康づくりを支える

7H1

伸縮性と形状記憶性を有する
多機能複合素材の医療機器への応用研究開発

多機能素材技術を活かして医療機器産業の創出を

研究開発の概要

形状記憶合金(SMA)は、ステントと呼ばれる血管の治療器具に用いられている。また、繊維強化樹脂(FRP)は、航空機などの軽量性が鍵となる乗り物において活用されている。いずれも素材自体の持つ特性を直接利用することで各産業における価値を見出している。
本研究では、これらの素材の特性に加え、新たに考案した特殊な加工を施すことにより、骨の固定や保護、また、関節の保護や筋力補助など様々な医療用途に活用できる多機能医療プレートの実用化に向けて研究開発を行うものである。
従来の医療用プレート機器類は、チタン、ステンレス、樹脂などの単純な使用に限られており、SMAの特性を活用した多機能医療用プレート開発は未だ途上にある。本研究では、SMAやFRPに特殊加工を施すことにより、従来にない伸縮性や曲げ変形と体への自由なフィット性能を実現するプレート素材の実用化に向けて研究開発を行う。SMAプレートでは、大伸縮性と形状記憶特性を活用した用途に適した素材を開発する。またFRPプレートでは伸縮性に加え軽量性を重視した用途に適した素材を開発する。

課題/背景

 SMAやFRPは様々な産業用途に用いており、医療分野では、SMAは血管治療用のステントやガイドワイヤに応用され、また、FRPは軽量性を活かして義足などに活用されている。ただし、材料自体の優れた性質を直接利用しているものが多く、特殊な形状を与えて機能を発揮する医療用プレート開発は未だ途上にある。これらの材料自体の優れた性質に加え、高度な設計技術とその実現に向けた製造・加工技術により、医療用プレートに活用できる大きな伸縮性や曲げ変形性を有し、体への自由なフィット性能を持つ多機能かつ軽量な医療用素材の実現は、整形外科の治療をはじめとして医療技術のさらなる進歩へ貢献する可能性がある。また加速する高齢化社会において、日常のヘルスケアの重要性、生涯スポーツの実現、外科手術後の患者のQOLの向上など益々重要性が増すと思われる。

開発内容/目標

 本研究開発では、ステンレスやチタンなど医療用プレートで多く用いられている金属類に比較し大きな変形を許容するSMA材料に対し、高度な製造・加工技術に依拠した新たな機能を付与し、SMA材料の医療分野における利用方法をさらに発展させる。具体的にはSMAプレートに金属としての頑丈に加え、大きな伸縮性や体への自由なフィット性能を付与することに挑戦する。 同様にFRPプレートでは、樹脂材料の軽量性をいかしつつ、SMAプレート同様に特殊加工に基づく大伸縮性を併せ持つ医療プレートを開発する。本研究開発の最終目標は、SMAプレートならびにFRPプレートの各メリットを最大限に活かし、医療現場からのニーズに応える設計技術、製造加工技術により、伸縮率15%を満たすSMAならびにFRPプレート試作を目指すものである。