Manufacturing
第4次産業革命によるイノベーションを取り込み、
新技術の開発や新作業の創出を促進

7M7

多様な人と交通スケールを繋ぐ
歩車・広狭混在型デジタルツイン基盤技術の開発

次世代の交通社会を実現する進化型デジタルツイン

研究開発の概要

自動運転や高度運転支援システム、自律移動ロボット等の知的移動体の普及や、新型のパーソナルモビリティにともなって、これらのシステムやそれを取り巻く交通インフラの安全を検証するために、自動車だけでなく、VRUと呼ばれる様々な交通弱者、すなわち歩行者、自転車等のふるまいを考慮したシミュレーション技術が必要不可欠となっている。
 本研究プロジェクトでは、これからの時代の交通安全を実現するために、これらのVRUの行動を観測、モデル化し、次世代の知能自動車の設計、検証や、都市交通の設計を効率化するためのデジタルツイン基盤の構築を目指す。プロジェクトの焦点は主に三つあり、①局所交通空間の歩車混在交通シミュレーションに資する、VRUの認知・判断・動作に注目した高精度かつ軽量なモデル化技術、②都市・交通システム計画に向けた局所交通空間と都市交通シミュレーションを繋ぐ広狭混在型マルチスケールシミュレーション技術、そして③デジタルツイン基盤を用いたVRUの行動観測・解析と交通安全教育効果検証、である。

課題/背景

 現在、シミュレーションやデジタルツインを用いた製品・インフラの設計に関する課題として、シミュレーションのモデル精度・計算量の問題と、シミュレーションを行うコストに対する問題が存在する。
 既存のシミュレーションモデルでは、シミュレーションに存在する周囲の自動車、自転車、歩行者などの精度が不足しており、人の反応、特に認知・判断等の特性を反映できない。また、シミュレーションを都市のインフラ設計等に用いる際には、道路や交差点単体の局所の交通と、中域~広域の交通との相互作用を考慮できない、といった問題があった。
 また、愛知県をはじめ、国内には多くの移動体・輸送機器メーカー、OEMが存在するが、現状ではこれらの企業が個別にその目的に応じてシミュレーションを制作、利用しており、開発コスト、期間ともに低減するためには共通して利用可能なオープンなデジタルツイン基盤が強く望まれている。

開発内容/目標

 本プロジェクトで研究・開発の対象とする項目は主に三つある。
 ①局所交通空間の歩車混在交通シミュレーションに資する、VRUの認知・判断・動作に注目した高精度かつ軽量なモデル化技術。デジタルツインを用いた行動観測を活用して、実時間に20エージェント以上計算可能な軽量モデルでありながら、判断や動作を精度良く推定可能なVRUモデルを開発する。
 ②都市・交通システム計画に向けた局所交通空間と都市交通シミュレーションを繋ぐ広狭混在型のマルチスケールシミュレーションを実現する理論の構築とデータを用いた有効性検証を行う。
 ③デジタルツイン基盤を用い、交通における特徴的なVRU(高齢者、子ども、交通違反者等)への交通安全教育を通じ、安全意識の向上のための社会貢献をしながら、行動観測・解析を通じて個人特性を考慮したVRUのモデル構築へとつなげる。