Carbon Neutral
環境と経済が調和した活力ある産業社会を構築

8C6

建築センシングに基づく
レジリエンス評価システムの開発

耐震設計ソフトウェアの実装

終了研究テーマ

概要及び背景・課題

  南海トラフ地震や都市直下地震の可能性が指摘される中,オフィス,住宅,重要施設などの建築群における被災直後の速やかな減災行動および復興計画に,センシング技術に基づく被害評価,リスク判定等の情報発信が期待されている。既存技術だけでは,十分な社会実装に至らない現状において,各種構成要素の損傷,被害評価に基づき,建物全体としてのリスク評価を,信頼性の高い減災指示機能に展開する体系的な新システムの開発が社会実装を飛躍的に加速させる。
 地震被災都市をセンシングする機能を広く社会に実装する戦略は多様であるが,現状では,詳細なエビデンスに基づき判断を下すソフトウェアの開発が遅れをとっている。建築センシング技術と地震リスク評価を融合して製品化することは必要とされる拡充機能の根拠と実装の目途の両者を与える。
 地震被害・減災行動を自動判定できる機能により南海トラフ地震で強烈に揺さぶられる運命に膨大な数の建物群をレジリエンス評価し,多様な被害軽減行動を最適化して指示することで,愛知県を中心とし,社会の減災対策を大きく加速するうねりを醸成する。

開発内容/目標

 地震被災建物の損傷に基づき,建築全体に対して系統的なリスク判断を下すソフトウェアを新たに開発し,建築全体を丸ごと揺することで地震時の状況を現出させる大規模震動実験によって開発機能を総合検証する。内外装材などの二次部材を全て含めた総合的な損傷評価を可能とするために,欧米で先駆的に開発された確率論を用いたリスク評価法を実装する。建築センシング技術では,センシング機能を拡充し,有限要素モデルによるデジタルツイン機能を併用することで,より詳細で多面的な損傷評価を可能とする。ここに確率論に基づくリスク評価を融合する概念は過去に無く,オープンイノベーションによる新たな技術革新を実現する。リスクの種類,リスクの建築平面・高さの位置情報,さらに全体倒壊危険度から減災行動を提示する包括システムの製品化は世界初。

2025年度の成果/成果活用の展望

 名古屋大学(震動実験,性能検証,確率論ソフトウェア),天津大学(震動実験,性能検証),清華大学(シミュレーション,コンピュータービジョン),不二サッシ社(内外装材解析・計測技術に係る実験),飯島建築事務所(建築設計制度,BIMモデル構築),スイス工科大学とスタンフォード大学(リスク評価ソフトウェア)が担当課題を各々遂行。オープンイノベーションの強化の観点から,NTT-ファシリティーズ社(既存センシング技術,リスク評価),アシストコム社(全体システム用のソフトウェアデザイン)が担当課題を推進。南海トラフ対策として愛知県における技術の社会実装を起点に,首都圏・近畿圏,アジア・欧米へとビジネス進出を図る。県内の建設産業界において促進事業を展開し,建設業界による減災運動を活性化する。人材育成では,提案技術を担う研究者,技術者を多数輩出する(欧米,アジアを含む) 。