Ⅴ期Agriculture & Fisheries
高品質安定生産を実現し、生産性向上を促進

8A6

森林植生モニタリング実現に向けた
UAV無線通信技術の研究開発

モバイル電波が届かない場所でも遠隔ドローン通信を

終了研究テーマ

概要及び背景・課題

 本プロジェクトでは、森林の植生状況を上空からUAV・ドローンにより効率的にモニタリングし、樹高・樹種等の詳細な森林情報を自動判別・解析するための先進的なドローン向け通信技術の研究開発を実施する。
 カーボンニュートラルを指向し森林管理の効率化と精度向上が求められる中、従来の地上調査では限界があった広範囲な森林地域の詳細な植生データを、UAV・ドローン技術を活用することで迅速かつ正確に取得することが可能となる。本研究開発では、植生を識別できるセンサーを搭載したドローンを森林上空飛行させ、植生データの取得と解析を無線通信技術を活用してデータセンター等へ送り届けるシステムを構築する。森林等に設置されている多数のセンサーからの情報を収集する無線通信技術も開発・統合することで、奥深い森林などモバイル通信がない環境下でも安定して制御・データ伝送を可能とする基盤技術とドローン搭載用のキット開発を行う。

開発内容/目標

 モバイル通信ネットワーク等の既存通信インフラが敷設されていない山間部や奥地の森林地域において、森林などの多数IoTセンサーやドローンから創出される大容量のセンサーデータを確実に収集しドローン基地局へ伝送する技術を開発する。通信速度50Mbps以上、通信距離10km以上の無線技術を開発しIoT無線機等と統合することで、低コスト化・低消費電力化などドローン搭載性を向上させた無線通信技術を核とし、植生状況をクロロフィルなどのスペクトル情報から検出し、植種を効率的に判定し識別する技術も開発する。これらの通信・センサモジュールをパッケージ・キット化することで多種のドローンに搭載可能とする技術開発も並行して行う。

2025年度の成果/成果活用の展望

●複数の無線技術を受信状況に応じて適宜切り替え、繋がり続ける無線技術の原理検証を実施。Wi-Fi、Wi-Fi HaLow (IEEE802.3ah)、920MHz帯IoT無線の3種を組合わせ最大50 Mbps、最長300m程度の都市環境通信を実証。上空通信では1000m程度の通信が実現可能に。
●マルチスペクトルカメラを活用し植生状態のモニタリング検証を開始。正規化植生指数などマルチスペクトルカメラで検出可能な指数を組合わせることにより植生の水分保有状態を可視化。従来ハイパースペクトルカメラの1/5以下のスペクトル分解数でもヘルスモニタリングの実現を視野。
●タイ・チェンマイ大郊外の森林・植林フィールドを視察。実際にドローンを運用し上空からのモニタリング風景を見学。チェンマイ大学が有するセンサーノードを視察し、通信・センシングのニーズ抽出を実施。
●プレ開発技術を高度化し汎用ドローンへ搭載するためのキット化・インターフェース構築を通じて、国内外の森林監視システムへの展開を視野。