Carbon Neutral
環境と経済が調和した活力ある産業社会を構築

7C7

次世代積層セラミックス材料開発に向けた
国際産学連携

国際連携をベースとした愛知発コンデンサ開発

研究開発の概要

 次世代半導体デバイス開発に伴い、積層セラミックスコンデンサの高性能化が望まれている。一方、愛知県は多様なセラミックス製品の生産拠点ではあるが、コンデンサのシェアは高くない。このような状況を脱却するために、これまでの積層セラミックスコンデンサの性能を上回る製品開発を県下企業である㈱MARUWAと協働し、最終的に世界販売シェアを延ばすことを目標とする。また、名古屋工業大学とドイツのエアランゲン-ニュルンベルク大学は、長年、セラミックス材料に関する共同研究に取り組んでおり、これらの技術・知見を、㈱MARUWAの実装技術を組み合わせることにより、新しい積層セラミックスコンデンサを開発できる。研究リーダー林の専門である放射光分析を、あいちシンクロトロンにおいて存分に活用し、コンデンサ材料の最適組成条件や合成条件の探索に役立てる。なお、県下のスタートアップ企業であるアイクリスタル㈱は、AIによる最適組成予測やデジタルツインによる製造プロセスの提案を行う。また、名古屋工業大学とドイツのエアランゲン-ニュルンベルク大学との博士プログラムに、企業研究者も参加してもらい、リスキリングとグローバルな感性を身に着けることも本事業の一環である。

課題/背景

 近年の半導体の需要の伸びや高度化は周知の事実であるが、半導体デバイスには必ず、抵抗・インダクタ・コンデンサなどの受動部品が必要であり、半導体の進歩に伴って、コンデンサの性能向上が課題とされている。この市場は年率5.90%で成長すると予想されているが、愛知県企業のコンデンサのシェアは、セラミックス産業が盛んな割に高くない。積層セラミックスコンデンサに対しては、小型大容量化・パワーエレクロニクス用途などのニーズがある。どちらの用途に対しても、チタン酸バリウム(BaTiO3)をベースに複数の添加元素を導入し、理想のコンデンサの開発が進められているが、添加元素の種類が多いこともあり、最適な組み合わせや合成条件には探索の余地がある。

開発内容/目標

 積層セラミックスコンデンサの主材料であるチタン酸バリウム(BaTiO3)に、複数添加を異なる濃度で添加した誘電体材料をエアランゲン-ニュルンベルク大学において自動大量合成する。それらの試料の物性や構造評価を、あいちシンクロトロンや名古屋工業大学における先端機器によって、なるべく多くのデータを収集する。そのデータに基づき、アイクリスタル㈱は機械学習・AI技術を用いた最適組成の予測を行い、エアランゲン-ニュルンベルク大学への大量合成へとフィードバックし、最終組成決定へと繋げていく。本事業のいくつかの段階においてプロトタイプの試作を行い、添加元素とコンデンサ機能の相関について解明する。なお、アイクリスタル㈱は、㈱MARUWAの高性能コンデンサ事業化に対し、具体的な製造プロセスの提案を行う。