Manufacturing
第4次産業革命によるイノベーションを取り込み、
新技術の開発や新作業の創出を促進

7M1

次世代航空機向け熱可塑複合材大型部品の高速成型技術の開発

愛知県航空機ものづくり産業の強靭化と航空機事業新規参入基盤の構築

研究開発の概要

 2030年代後半に開発が予想されている次世代航空機では、過去にない月産80機の生産体制が求められている。海外OEMはこのような高レート生産に対応すべく、現在主用されている熱硬化複合材成形法に対し工程時間を大幅に短縮した熱可塑複合材高速成形技術の開発および大型複雑部品への適用拡大を目指している。
 このような中、我が国としても、現在の主力事業であるボーイング777、787、777Xに次ぐ事業として次世代航空機の製造分担確保は必須課題であり、上記海外OEMの戦略に歩調を合わせた大型熱可塑複合材成形技術開発は極めて時宜を得た有意義な取り組みである。一方、小型単純部品から厚肉大型複雑形状部品への拡張は、成形材の特性および品質確保面での困難を伴い、新たな革新技術の開発が必須である。
 本プロジェクトでは、国内先導企業および大学シーズ技術を活用・連携し、ボーイング社のシーズ技術をベースに、複雑大型部材に拡張した高速成形技術を確立するとともに、設備システムおよび成形プロセスに対するプレ認定を通じて、関連企業のものづくり技術を高度化し、愛知県企業の航空機産業への新規参入と次世代航空機事業につながる産業基盤を創出する。

課題/背景

 熱可塑複合材の品質と特性は、流動性と結晶性に関係する材料の加熱温度、金型温度およびマテハン時間に大きく依存する。さらに、部材形状の大型複雑化および3次元賦形に伴い、特にコーナー部で炭素繊維のしわ、ヨレ等の品質欠陥が生じる。溶融温度が400℃近くになる航空機用熱可塑複合材の成形には、特に最適な温度環境を生成可能な成形システムの開発が必要である。
 本プロジェクトでは、これらの課題を解決するため、高精度で制御可能な加熱装置と高速で搬送可能な搬送装置、それらとプレス機を連結した一体システムを構築する。さらに、温度と圧力を最適に制御するための成形プロセスの開発、金型凹凸面の適正温度分布を産み出す温調配管設計、さらに、品質欠陥の予測技術、開発等の技術課題に取り組む。

開発内容/目標

 従来工法に対し工程時間を10分の1以下に短縮した、熱可塑複合材大型部品の高速成形設備システムの構築および成形プロセス技術を確立する。また、熱溶着機能を有する自動積層成形法による中間基材技術を開発する。さらに、それらを用いた部品試作を行い、成形品質と特性の評価、検証を行う。
 また、成形工程における材料の挙動予測・解析技術を開発・実証する。下記を開発目標とする。
(A1) 高速成形機能を有する熱可塑複合材設備システムおよび品質・強度要求を満足する成形プロセスの開発
(A2) 熱可塑複合材の成形品質と材料に必要な加温性能を有する成形金型の開発
(B1) 形状センサを活用した熱可塑複合材プロセスモニタリングの研究
(B2) 大型熱可塑複合材部材の残留応力モデル開発
(B3) 熱溶着機能を有する自動積層技術の開発