Carbon Neutral
環境と経済が調和した活力ある産業社会を構築

7C3

直流マイクログリッド普及のための
変換器の小型化と遮断装置の開発

Challenge to DC Power Grids

研究開発の概要

2050年のカーボンフリーの社会を目指し、再生可能エネルギーを主力電源とした発電装置の普及拡大、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などのモビリティ(以降:EV)の大規模導入やデジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントラストフォーメーション(GX)などが積極的に実施されている。
このうち再生可能エネルギーの主役である太陽光発電や風力発電、各種EV普及を始めとする省エネルギーへの推進には、これまでの交流電力技術のほかに、直流電力技術が必要不可欠である。この直流技術のなかでも特に、電力変換に伴う損失や電力品質低下の低減、直流遮断技術の確立が必要となる。
そこで我々は、重点プロジェクトⅢ期において直流スマートファクトリのための電力変換技術として特殊巻線変圧器を開発してきた。
本研究では、これまで開発してきた特殊巻線変圧器の社会実装を目指して、電力変換器の小型化と電力品質(周波数、電圧、高調波など)の向上を目指す。さらに、これまで課題であった直流遮断においても、新しい遮断技術を導入した装置の開発を実施する。

課題/背景

直流給配電技術や直流マイクログリッドに関しては、多面的な報告や実証試験などが数多くなされているが、十分な社会実装までには至っていないものと思われる。この直流給配電技術や直流マイクログリッドにおける重要な課題としては、以下に示す3つの大きな課題が想定される。
1.直流遮断
従来の交流と異なり周波数が0Hzであるため、正極と負極が切り替わるときのゼロ点がないため、電弧が切りにくい。このため、直流遮断が困難である。
2.電力変換による損失
特に高圧交流電力から低圧直流電力実施時における電力変換における損失が大きい。直流技術の導入には、この損失低減が重要となる。
3.電力品質
半導体を用いた電力変換においては、スイッチング時に発生するノイズが電圧・電流などに重畳する懸念がある。

開発内容/目標

 本研究では、上述した課題を解決するために、以下に示す2つの研究テーマについて実施する。
(1)特殊巻線変圧器の小型化と電力品質向上
 これまで開発してきた12相特殊巻線変圧器の電力品質である電圧リプルは、約3.0%であった。これを24相に変更し約2.3%を目指す。さらに、本研究では変圧器のコアを従来の角型ではなく、薄型であるプレーナー型を用いた特殊巻線変圧器の開発を実施する。
(2)多段回路による分流方式を用いた直流遮断技術
 直流遮断時におけるエネルギーを分散して消費させる分流方式を導入し、遮断時に発生する電弧を抑える方式を採用する。さらに、使用環境(接続する負荷)に依存しないようにするための制御装置やスパイク抑制装置についても開発する。