Manufacturing
第4次産業革命によるイノベーションを取り込み、
新技術の開発や新作業の創出を促進

7M6

精密研磨やナノ材料を支える
高効率分級装置の開発

環境にやさしく迅速に

研究開発の概要

 粒子径と粒子速度の関係を理論計算した結果を図1に示す。粒子密度2.5 g/mLとして算出した。臨界粒子径(d0)粒子に働く重力とブラウン運動の境界である1000 nm(=1μm)以下では重力沈降分離が難しい事がわかる。したがってナノ粒子の分離には重力に変わる分離力を系に与える必要がある。例えば遠心力を与えることでd0以下の粒子を分離することが可能であるが、連続生産が難しく労力と費用がかかる。
 我々は、ある外力を用いることでナノ粒子分離に成功し、この手法について名古屋工業大学でさらに研究を進めた。具体的には、簡便な装置を用いてナノサイズ粒子の粒子径と粒子速度の関係を見出した。この速度差を用いることで、これまでの技術に比較して、はるかに短時間で分級可能であることが予見された。さらに化学的条件を調整することで、粒子の移動速度が制御できることもわかってきた。これらを装置メーカーと試薬メーカーのタッグにより確固たる技術とすることを目指す。

課題/背景

 精密な材料加工や材料設計には精密に制御されたナノ粒子が必要である。これらの技術が日本の素材産業の技術を支えている。例えば、半導体産業における研磨、特にCMP研磨(Chemical mechanical Polishing)(図2、図3)は非常に重要な役割を果たしている。精密研磨なくして半導体の高性能化はありえない。半導体製造の最終製品は海外勢が中心だが、研磨材料、半導体製造装置などは日本メーカーが高い技術でトップシェアを維持している。
 そこで彼らのアドバンテージを今後も確固たるものとする為、各メーカーが苦戦している研磨用ナノ粒子の効率的なナノサイズ分級に挑む。またナノ粒子の精密分級を必要としている産業が多く潜在している。

開発内容/目標

 名古屋工業大学が保有する微粒子分散凝集技術と㈱マキノが保有する湿式粉体プロセス開発技術を融合し、精密分級装置の設計と試作を行う。また、両社共願特許(特願2022-021163)の粒子回収方法及び粒子回収装置をベース技術とし、分級システムを強調した発展特許を申請する。さらに、名古屋工業大学が保有する微粒子評価技術の活用と中京油脂ホールディングス㈱の添加剤開発技術を融合して分級促進添加剤の開発も行う。本技術は中京油脂ホールディングス㈱のノウハウ技術とする予定である。
 精密分級装置と分級促進添加剤を開発ターゲットとして、ナノ粒子の効率的な精密分級が可能な5L級の精密分級機を試作する。具体的な性能として、24時間以内の操作で、D50 = 10 nm、100 nmの分級点を目指す。また、この分級シテムを用いて、ナノ粒子分級に興味のある企業の実スラリーの分級テストを実施する。