Carbon Neutral
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7C2

革新的ブルー燃料・ブルーコークス併産
複合プロセスの開発

低炭素型還元材とCO2回収型燃料のカーボンニュートラル製造にチャレンジ

研究開発の概要

 鋳物製造用キューポラや高炉製鉄、廃棄物焼却処理用シャフト型ガス化溶融炉で不可欠な石炭コークスに着目し、カーボンニュートラルなコークス製造プロセスとバイオマスを混入することにより、CO2排出削減に大きく貢献する革新的プロセスの研究開発を図る。具体的には、原料石炭に木質系バイオマスを30%以上配合して、バインダーにはリサイクルアスファルトから回収したアスファルトをバインダーとして活用し、まずはキューポラまたはガス化溶融炉での用途を目指し、乾留固化することにより十分な強度を有するコークスを製造する。また、コークス炉からの燃焼排ガスは、精製のうえ水蒸気とCO2を再生可能電力で駆動する固体酸化物共電解(SOEC)によりCOとH2に直接還元または水素による燃料合成ガス製造だけでなく、燃焼ガスからN2分離してH2とのプラズマアンモニア直接合成の簡易簡易プロセスによりコークスと燃料を併産するプロセス技術を開発する。本研究ではこれらのコプロダクツを、ブルーコークスおよびブルー燃料と称することを提案している。以上のプロセスを具現化するために、すでに技術的に確立または短期的に実用化が困難な技術を除く、以下の要素技術の基盤研究開発を行う。①ブルー燃料製造のための革新的熱分解・燃焼ガス精製技術、②非平衡プラズマ利用アンモニア合成技術、③ブルーコークス製造技術、④プロセスのインテグレーション。

課題/背景

 カーボンニュートラルに向けたGX戦略やエネルギー政策に基づく次世代技術開発が推進されている。愛知県と周辺の東海地域では機械産業が盛んで、鋳物製造用キューポラが数多く使用されているだけでなく、廃棄物処理用ガス化溶融炉も多数運用され、また大手の製鉄産業では高炉の運用も継続されている。これらの分野で共通して必要な炭素系還元材であるコークスは、石炭由来のためCO2排出削減に向けたカーボンニュートラルに対する取組は重要課題となる。一方で、CO2回収による燃料化については、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)の一環で、政府等による支援により多岐にわたる技術開発が実施されているが、地域分散型の小規模プロセスに関する技術開発はかなり限定的である。このような背景から、コークス原料にバイオマス配合と製造過程の脱炭素化およびCCUによるCO2のブルー燃料化と複合した革新的プロセスの研究開発が不可欠である。

開発内容/目標

 バイオマス配合ブルーコークスの製造とブルー燃料を併産する革新的カーボンニュートラルプロセスを提案し、以下の要素技術を開発。
 ①ブルー燃料製造のための革新的熱分解・燃焼ガス精製技術:コークス製造排ガスからSOEC被毒成分のSO2を1ppm以下に除去する吸着剤・吸収材の探索と項目②でCO2共存の影響を無視しうる純度で排ガス中のCO2/N2分離膜の作製
 ②非平衡プラズマ利用アンモニア合成技術:高周波とマイクロ波誘起プラズマの両面から濃度10%以上、エネルギー効率5g/kWhのアンモニア合成プロセス開発および再エネ電力賦存量と時間変動調査
 ③ブルーコークス製造技術:バイオマス配合30wt%以上を達成し、塊状を維持する強度のブルーコークス製造とバインダー活用するリサイクルアスファルトからの抽出試験
 ④プロセスのインテグレーション:全体エネルギー・物質収支の最適効率評価とプロセスのエンジニアリング設計