Agriculture & Fisheries
高品質安定生産を実現し、生産性向上を促進

7A4

養殖魚の感染疾病における早期診断・
感染防止技術の開発

病原菌のモニタリングで養殖魚を病気から守る

研究開発の概要

 ウナギの養殖において、エドワジエラ菌の感染によるパラコロ病の発生による損害は大きな問題となっており、養鰻場などでは、迅速・簡便にエドワジエラ菌の増殖をモニタリング可能な技術が求められている。エドワジエラ菌はシデロフォアと呼ばれる化合物を利用して増殖に必要な鉄イオンを細胞内に取り込んでいる。つまり鉄イオンと結合したシデロフォアは微生物の餌となっている。そこで本研究開発では、微生物にとって人工の餌である人工シデロフォアと呼ばれる化合物を用いたエドワジエラ菌モニタリング技術を開発する。具体的にはエドワジエラ菌に適した人工シデロフォアを設計・合成し、それらをセンサーや蛍光物質に結合した材料を作製することで、電気化学測定や蛍光標識を用いて、エドワジエラ菌を迅速・簡便に検出、菌数のモニタリングが可能な技術を開発する。さらに養鰻場などの現場でエドワジエラ菌のモニタリングができるように、開発された技術を応用したエドワジエラ菌計測装置や試薬キットの開発を目指す。

課題/背景

 愛知県では内水面養殖によるウナギの養殖が盛んであるが、養殖時に発生する魚病被害による損害は大きい。ウナギの養殖ではエドワジエラ菌の感染によるパラコロ病が魚病の4割を占めており、大きな問題となっている。魚病に対する薬剤の使用は厳しく規定されており、ウナギの場合は魚病に対するワクチンの開発も遅れているのが現状である。そのため、パラコロ病の原因菌であるエドワジエラ菌の菌数をモニタリングすることで早期に魚病発生の予兆を掴み、被害の拡大を防ぐ技術が求められている。ウナギの場合はPCR法などによる菌数モニタリングが行われているが、検査に時間を要すること、また現場での使用は難しいことなどから、迅速・簡便にエドワジエラ菌をモニタリング可能な技術が必要となっている。

開発内容/目標

 我々のグループでは、知の拠点あいち重点研究プロジェクト(第I期)において微生物のコロニー画像データから迅速に微生物検査が可能な装置、また(第IV期)において人工シデロフォアをベースにした迅速・簡便な大腸菌群検出技術の開発に成功している。本研究開発では、これらの技術をエドワジエラ菌の検出に応用する。具体的には、エドワジエラ菌の検出に適した構造を有する人工シデロフォアを設計・合成し、それらをセンサー表面や蛍光物質に結合した材料を開発する。こうした材料を用いた電気化学測定や蛍光標識を利用してエドワジエラ菌の増殖をモニターすることで、パラコロ病などの魚病の早期発見・予防に繋がる技術や装置、試薬などを開発する。